光のもとでⅠ
「校門を通過したばかりだけど?」
『じゃ、昇降口で待ってる』
「は? 唯、仕事は?」
『なーんかさ、秋斗さんが家族してこいって。家族用の簡易ブレスプレゼントされちゃったよ』
「そっか……。了解、じゃぁ昇降口で」
 通話を切り、ほんのりと色づく桜並木の葉を見ていた。
 あと数日もすれば気温は急激に下がり、葉はきれいに色づくだろう。
 そしたら翠葉は喜ぶんだろうな……。
 学園環状道路を学内のバスで遊覧するだけでも十分に見ごたえがある。
 そんな情報は知らないだろうから、学校から帰ってきたら教えてあげよう。
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