光のもとでⅠ
 違和感を覚えるどころか、不必要に興味を持たれる。
「関心」「好奇心」といった人の感情で翠葉が傷つくところは見たくなかった。
「ライブ中、翠葉にはうちのクラスの空太と七倉がつくことになっている」
 本当はこんなことしたくない。でも、やる――。
「ふたりの調査よろしく。……問題がなければ、ふたりに翠葉の口にするものの管理全般をお願いしようと思う」
『わかった』
 こんなことはすぐに調べがつくだろう。
 携帯は切らずに秋兄側から聞こえるタイピングの音を聞きつつ、沈黙の間に罪悪感をひしひしと感じていた。
 クラスの人間を――友達を疑うなんてしたくない。
 それでも、念には念を――。
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