光のもとでⅠ
 ま、海斗を所望する女子が多いのは想定済み。
 でもって、そこに佐野、ね。
 そりゃ、うちのクラスの野郎どもは楽しくないわな。
『海斗と佐野っ、どっちでもいいからこっちに投入してっ! もう、世のお嬢様方のあんな視線と言葉には耐えられないのよっ!』
「圭介……まず、そのオネエ言葉を直そうか」
『わかったからっ、とにかく頼むよっ』
「はいはい……捕まえたらそっちへ行くように言っておく」
 早々に通話を切ったものの、
「まず海斗は無理だろ……?」
 落し物を事務室に届けたあと、少し気になって図書室に様子を見に寄ったけど、ノートパソコンと睨めっこして人の流動把握係をやっていた。
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