光のもとでⅠ
 俺と一緒の昇降機に乗っていたのは千里。
「何、やっと腹据えたの?」
「腹据えたっていうか、掻っ攫われるのはたまんないってのと、ちょっと色々反省」
「なるほどねぇ~。理美もがんばってるけど飛鳥もがんばってたよな」
 千里だって理美の気持ちはわかっているんだ。
 そのうえで馴れ合いをしている。
 今までの俺と然して変わらない。
「千里もさ、いつまでも自分を見ててくれると思ったら大間違いだっていつか気づくよ」
「どうかなぁ~」
 そんなふうに曖昧に流され、
「ま、がんばれよ」
 と、言葉と同じくらいの軽さで背中を叩かれた。
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