光のもとでⅠ
 なっちゃん先生は身長が低い。
 それを気にしているとは思わなかった。
 なっちゃん先生は俺を睨みつつ潔く座り、柵の上からではなく合間から見ることにしたらしい。
 その手には双眼鏡があり、
「あの子が御園生翠葉ちゃんね」
 と、円形ステージで椅子に座る彼女を観察し始めた。
「秋斗くんの想い人なんですって?」
 面白そうに訊かれる。
「それは何情報ですか?」
「なっちゃん情報よ」
 これはこの人なりの逆襲なのだろう。
 まぁ、いつだってこの人は俺のことをこんなふうに扱うわけだけど……。
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