光のもとでⅠ
『放送委員、オケ止めてつなぎっ。理由はマイクの不調』
 マイクの不調でないことは明らかだ。
 ここから――ここからどうしたらいい?
 会長から連絡が来るのを待つべきか、こちらから尋ねるべきか――。
 いつものふたりならとっとと連絡できるものを……。
 そもそも、いつもどおりならこんなことにはならなかった。
 放送委員の奈落責任者と実行委員長がすぐに集り、このあとをどうするか話し合いが始まろうとしたとき、翠の声がインカムに響いた。
『佐野くんっ、円形ステージの奈落、階段下に来てっ』
 インカムはつけている人間すべてに聞こえる状態になっていた。
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