光のもとでⅠ
「いやはや、このマンションから娘を送り出すことになるとはねぇ……。何が起こるかわからないものだな」
「本当ね。でも、熱も出さずに今日を迎えられて良かったわ。あの子、イベント前にはいつも熱を出すから」
 クスクスと笑う奥さんは、「洗濯物を干さなくちゃ」と洗面所へ向かった。
 俺はそんな奥さんの代わりに食器洗いに手をつける。
 食洗機なんて便利なものがいつからあるのかは知らないが、そんな便利なものは使わない。
 朝の会話を思い出すように、食器も一枚一枚きれいに洗う。
 それらを済ませてコーヒーを淹れると、現場からメールが届いていないかのチェックなど……。
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