光のもとでⅠ
 あんなメモ、早々に破り捨ててしまえばよかった。
『司? あんた聞いてるの?』
「あ、悪い……」
『とにかく、また翠葉が記憶を取り戻そうと躍起になるかもしれないから、あまり刺激するようなことは言わないように』
「わかった」
『じゃ、そういうことだから』
 通信が切れ、窓に向けていた身体をテーブル側に戻す。と、茜先輩に声をかけられた。
「翠葉ちゃん、クラスに戻ったみたいね?」
 なんでそれを知って――。
「今、桃から通信が入ったの」
 それでか……。
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