光のもとでⅠ
 携帯は返したが、まだそれを見てはいないのか……?
「どのくらいというよりは、すでに時間切れじゃない?」
 俺が声をかけると、地面に落としていた視線を上げ驚いた顔をする。
「つ、ツカサっ!?」
 翠は顔を押さえるというわけのわからない行動に出た。
「何慌ててるんだか……」
「だって、なんか顔が熱い気がするから」
「それ、微熱だから」
「え……?」
「バイタル、見てみれば? 俺が最後に見たときは三十七度五分だったけど?」
 翠はポケットから取り出した携帯を見て絶句する。
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