光のもとでⅠ
 頭フル回転で思いついたことといえばこのくらい。
「ツカサがこっちに帰ってきてばかりじゃ真白さん寂しいと思うっ」
『……翠』
「な、何っ?」
『……なんでもない。今週末の予定は?』
「え……?」
『紅葉。……見に行く約束しただろ?』
「あ……うん。でも、土曜日はホテルに行くことになってて――」
『あぁ、仕事?』
「どうしてツカサが知っているの?」
『別筋から聞いてる。それに、俺が知っていても不思議じゃないと思うけど?』
「そっか……そうだね」
『じゃ、日曜日。風邪をぶり返したくなければあたたかい格好して来るように』
「はい」
『じゃ、おやすみ』
「おやすみ、なさい」
 携帯を切って身体中の力が抜けていく。
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