光のもとでⅠ
 言われるままにタッチパネルを押していくと、乗車券とおつりがでてきた。
 そのあと、木田さんは自分用に入場券を購入してホームまで一緒に来てくれた。
 約束したとおり、ホームから蒼兄に連絡を入れる。
「蒼兄……?」
『うん、今どこ?』
「今、白野駅。四時十五分発の特急に乗るよ。支倉で乗り換えて藤倉に着くのは六時前くらいかな?」
『支倉まで迎えに行くよ』
「ううん、もう切符も買ったの。だから、藤倉に迎えにきてもらえる?」
『わかった、気をつけてな……。あ、一応支倉に着いたら連絡して?』
「うん、わかった」
 電話を切り、木田さんに向き直る。
「本当にお世話になりました」
「いいえ、またいつでもお気軽にお越しください」
「はい。次は逃げる場所としてではなく、ちゃんと目的地として遊びに来ます」
 木田さんはにこりと笑う。
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