光のもとでⅠ
 支倉に着くとホームに降りてすぐ蒼兄に連絡を入れた。 
 たぶん、約束をしていなくても電話したと思う。
「蒼兄?」
『支倉に着いたか?』
「うん。あのね……ホームがたくさんあってどこへ行ったらいいのかわからなくて」
『今、特急列車降りたところ?』
「そう」
『そしたら、まずは上に上がろう』
 私は蒼兄の誘導に従って歩きだす。
 日曜日の夕方は電車が混む時間帯らしい。
 昨日よりも確実に人が多い気がした。
 特急列車は一番端のホームで、藤倉行きの電車はそのふたつ隣のホームだった。
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