光のもとでⅠ
 食欲がないのは少し前からずっとで、今に始まったことではなかったから。
 でも、必要以上の心配はかけたくない。
「たぶん疲れてるからだと思う。身体が消化に体力割きたくないですーって言ってるみたい」
 苦笑して身体の怠慢さのせいにする。
「でも、お鍋だから大丈夫だよ。このスープで明日の朝ご飯のおじや作ってもいい?」
「おじやでもうどんでも、どっちでも作るよ」
 にこりと笑う唯兄に、「ありがとう」と答えた。
 食後の片付けを済ませ、コーヒーとハーブティーを淹れると話の場を私の部屋へ移す。
 蒼兄も唯兄も、帰りの車の中や夕飯中はこの件に触れないでくれた。
 ふたりは私が話すのを待ってくれている。
 もともと、帰って来たら話すと約束していた。
 だから、今日中に話そうとは思っていた。
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