光のもとでⅠ
 高校門をくぐり、校舎の裏手にある藤山を見る。
 遠くから見るだけでも紅葉しているのがわかった。
 紅葉、近くで見てもきれいなんだろうな……。
 今日も病院までは歩いていく予定だから、私道の脇に植わる木々を見ることができるだろう。
 そんなことを思いながら、赤く黄色く紅葉した桜並木を歩いて校舎へ向かった。
 教室に一番のりなのもいつものこと。
 時間の経過と共に登校してくるクラスメイトと朝の挨拶を交わす。
 新しくクラスに人が入ってくるたびに、私の顔を見た人が「前髪っ!」と口にする。
 それ以外は何も変わらない。
 いつもと同じ一日が始まろうとしていた。
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