光のもとでⅠ

30

 教室を出ようとしたら校内放送で保健室に呼び出された。
 保健室……湊先生?
「あ――」
 月曜日のお昼休みは湊先生の診察を受ける日であることをすっかり忘れていた。
 慌てて保健室へ向かうと、湊先生にじろりと睨まれる。
「すみません……忘れていました」
「まぁいいわ。ほら、奥へ行って。このあとは病院なんでしょ?」
「はい」
 一番奥のベッドへ行きボレロを脱ぐと、湊先生がカーテンを開けて入ってきた。
「忘れる前に渡しておく」
 先生に差し出されたものはずいぶんと立派な分厚い封筒だった。
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