光のもとでⅠ
 でも、私は知っている。
 大きな照明がついていない代わりに、この部屋にはところどころに間接照明が備わっていることを。
「全くもってやましい気持ちがあるわけじゃないんだけど、夜気が気になるからカーテン閉めていいかな? それと、雰囲気作りとかそういうわけではなく、照明、点けてもいい?」
 私は思いもよらない言葉たちに一瞬唖然とし、次の瞬間には声を立てて笑った。
「翠葉ちゃん、それはひどい……。俺、かなり真面目に悩んでたんだけど?」
 苦笑いを浮かべる秋斗さんには申し訳ないけれど、本当に真面目に悩んでいたのがわかるだけに、どうしても笑いが止まらなかった。
 秋斗さんは優しい……。とてもとても優しい人だ。
 今まであったことをすべて考慮しての行動と言葉だった。
 今、ここにいるのは私が好きになった秋斗さんだと思えた。
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