光のもとでⅠ
「そう、ふたりは知り合いだった。でもって、彼女は雅嬢をお姉様って慕っていたみたいだから、話し方や仕草が似ていてもおかしくはないよね。なんていうの? あぁ、リスペクト? そんな感じ。それに加えて、秋斗さんとの縁談がうまくいかなかった雅嬢と司っちとのお見合い話がなくなった自分を重ねたっぽい」
 出来事自体がいくつかに分かれているし、さらには関わった人もそれぞれ違う。
 けれど、いくつかに分かれている出来事は細い線でつながっているようにも思えた。
「若槻が話すと本当に軽いな?」
 静さんは感心したように言うけれど、唯兄はあえてこういう話し方をしているのだと思う。
 話が重くならないように、私が息を吸えなくならないように。
「だーかーらぁっ! 前にも言ったじゃないですか。当事者が言うより第三者が話したほうがいいこともあるって」
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