光のもとでⅠ
 湯船に浸かりながら、今日一日をどうやって過ごそうか考える。
 弓を手にしたいと思ったが、今日明日は清掃業者の出入りがあるため、高等部の敷地内に入ることは自粛するように言われていた。
「本屋に行くか……」
 本は通販で買うことが多いが、珍しく実店舗へ赴くのも悪くないと思えた。
 本屋に行ったら帰りにコーヒー豆を買おう。
 俺は十分も浸かると風呂を出た。

 十時前に家を出て、警護班の人間に駅ビルまで送ってもらった。
 そして十一時現在、俺は手ぶらでコーヒーショップにいる。
 本屋であれこれ物色していたら持って帰れる分量を超えた。
 警護の人間を呼びつけてもよかったが、店の人間に配送を勧められたため、異を唱えることなくすべてを配送にした。
 本屋を出てから思った。
 一冊くらいは持ち帰りにすれば良かった、と。
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