光のもとでⅠ
 司の気持ちを認識したあとなら、俺への気まずさは倍増するだろう。
 それが理由で司の気持ちに答えていないとしたら……?
 ――どう対応したらいいのか戸惑う。
「いや――俺が持っている情報は少なすぎる。どれを取っても憶測でしかない」
 気づけば携帯を手にし、唯にかけていた。
『はいはーい。お礼の連絡なんていらないですよー?』
「違う」
『へ? じゃ、何? 仕事ですか?』
 途端に声のトーンが落ちた。
「そうじゃない。唯に訊きたいことがある」
『ほい、なんでしょう?』
「翠葉ちゃん――」
『や、さすがに俺もリィの下着が何色かまでは……知ってても教えませんけどね』
「若槻っ……」
 若槻はコホンとひとつ咳払いをした。
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