光のもとでⅠ
「あ、藤宮先輩こんちわっす」
 翠と同じくらすの佐野だった。
 どうやら、翠のクラスは比較的早くにホームルームが終わるらしい。
 現時点で佐野がグラウンドへ向かえる状態でいるくらいには。
「佐野、訊きたいことがある」
「なんですか?」
 往来の邪魔になることを考慮し、中ほどまで上った階段を下りて数歩歩いたところで足を止めた。
「なんでしょう……?」
「翠は授業についていけているのか?」
 それは確かに気になっていることではあったが、本当に訊きたいことは別のことだった。
 本当に知りたかったのは、クラスメイトに見せる翠の表情――。
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