光のもとでⅠ
 パレスに着いたのは十一時前だった。
 夜半の来客にパレスに従業員はぎょっとした顔をしたものの、すぐにいつもと変わらぬクオリティで対応してくれた。
「御園生翠葉嬢が泊まっていると思う。部屋は彼女の部屋の近くに手配してくれ」
「かしこまりました」
 カードキーを手にしたナイトマネージャーがすぐに客室へと案内してくれる。
「お嬢様のお部屋はお隣です」
「ありがとう」
 俺は部屋に入り、窓際のテーブルセットに腰を下ろした。
 それと同時に携帯が鳴り響く。
『武継です』
「守備は?」
『すでに皆配置済みです』
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