光のもとでⅠ
 母さんとふたりで夕飯を済ませたあと、リビングでハナの相手をしているとガレージで音がした。
 父さんが帰宅したのだろう。
「あら? 涼さん、今日は帰りが遅いようなことを言ってらしたのに……」
 母さんは不思議そうな顔をして玄関へと向かった。
「ほら、ハナも行って。一家の大黒柱のお帰りだ」
 ハナに玄関へ行くように促すと、俺は二階へと上がった。
 時計を見れば九時。
「中途半端な時間……」
 病院に行って帰ってきて、夕飯を食べたら風呂……。
 翠の行動を考えると、この時間は恐らく風呂に入っているだろう。
 電話をかける約束をしていたが、今はかけても無駄。
 それなら、と自分もシャワーを浴びることにした。
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