光のもとでⅠ
 えげつない、とも言えるが、静さんや秋兄に仕事ができると認められているのにはこういった部分の素質も含まれているのだろう。
 うちの一族が好みそうな人種であることに間違いないと思った。
 ほかにも色々と仕掛けがしてあり、何がどう転んでも情報漏洩にはならない絶対的な自信があった。
 唯一、携帯ストラップに通されていた三つのアイテムは偽物を用意する時間が取れず、そのままのものを使っている。
 けれど、翠が今まで使っていた携帯――オリジナルは唯さんの手元で保管されているわけで、ある意味それが俺の強みでもあった。
 翠にとって携帯が大切なものであることは十分に理解しているつもりだった――。
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