光のもとでⅠ
『起こるか起こらないかわかりもしないことに四六時中怯えさせたくはない。そう言ってたらしい。記憶が戻ったばかりの彼女を司なりに気遣ってのことだろう』
 あぁ、頭痛くなってきた……。
「あの、お宅のおじー様とお孫さん、全く意思の疎通がなってませんけどっ!?」
『あのじーさんと意思の疎通ができたら人間じゃないって烙印押されるよ』
 それもどうなのよ……。
 俺は耐え切れずにデスクに突っ伏す。
 ゴン、という音と共に、額に衝撃が走った。
『いい音したな?』
「いえ、頭でもぶつけてないと正気保てそうにないんで……」
『難儀だな』
「いえ、お宅のじじ孫の関係ほどじゃないですよ」
 クスクスと笑う秋斗さんに問う。
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