光のもとでⅠ
「……クラスは男女に分かれて出席番号順に並んでいました。そこへ各クラスの先頭に並ぶ男女に、先生方は開封済みのコンドームと未開封のコンドームを配りました。それを見た人は後ろへ回す……という要領で事が進んでいたのですが、そこから一気に騒がしくなって……」
 天井の高さがそれなりにあり声が響きやすい体育館には、女の子のキャーキャー言う声と男子の数々の言葉が響いていた。
 みんな汚いものを摘むような仕草で、「見る」ということはほとんどせずに後ろの人へ後ろの人へ、と回していった。
 前から回ってきたコンドームはあっという間に最後尾にいた私のもとに届いた。
 私の後ろには誰もいなくて、先生が回収に来るまでずっとふたつのコンドームを手に持っていた。
 すると、より長い時間手に持っていた私は「汚いもの扱い」をされ始めた。
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