光のもとでⅠ
 飼育を通して嬉しかったことや悲しかったこと。何が大変だったのかをみんなで共有するのだという。そうして、自分が感じたもの以上のことを見たり聞いたりしながら学ぶらしい。
「紙袋実習は、だいたいの子が『大変だった』って感想を述べるわけだけど、鋭い子はもうちょっと突っ込んだ感想を書いてくるわ。実際にこの紙袋がハムスターみたいな生き物だとしたら、ご飯をあげなくちゃいけないしうんちを片付けてあげなくちゃいけない。具合が悪かったら温めてあげなくちゃいけない。それらをしなかったのに、ものすごく大変だった、って。――あぁ、ちょうどここに今年の初等部一年生の感想文があるわ」
 先生はノートパソコンを私の方に向けてくれた。
 モニターには、原稿用紙をスキャンしたものが表示されていた。
 まだ文字を書き慣れていないような筆跡。たどたどしい字だけど力強い文字で感想が綴られていた。
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