光のもとでⅠ
 卵管を通った先にあるのが子宮。子宮は子宮内膜という柔らかい膜で覆われていて、この頃の子宮内膜は卵子と精子が受精した際に着床する場所として厚みを増している。
 卵子の寿命はおよそ六時間から二十四時間ほど。その間に卵子と精子と出会わなければ、子宮内膜は必要なくなり体外に排出される。その現象が「生理」。
 そして、この排卵のサイクルが大体二十八日くらい、ということから生理は月に一度、なのらしい。
「生理ってただ血が流れてるんじゃなくて、子宮内膜が剥がれて出てきたものなのよ。身体の内部が剥がれて出てくるわけだから、これも個人差はあるけれど、痛みや吐き気を伴うのも理解できるでしょう?」
 その光景を想像してぞっとする。
「……あの痛みは内膜が剥がれる痛みだったんですね」
 生理痛が重い私にはひどく納得のいく説明だった。
 先生は教科書には書かれていないことを教えてくれる。
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