光のもとでⅠ
「先輩、そんなに忙しかったら疲れるでしょう? マッサージは今日で終わりにしましょう?」
「そしたら翠はどうするつもり? またいつ頭痛が襲ってくるとも知れないのに」
 そこを突かれると痛い……。
「でも、一応筋弛緩剤で凌げることは凌げるし……」
「それ、対症療法でしかないけど?」
 それを言われるともっと痛い……。
「……整体、通おうかな」
「……翠に通うだけの体力があるとは思えないし、通いの整体師で腕のいい人なんてそうそういない」
 本当に痛いところをピンポイントで突いてくるのだから何も言えなくなる。
「俺のことは気にしなくていい。一度こりをほぐせばあとは毎日じゃなくてもかまわないんだ」
「……でも、気になります」
「それ以上何か言ったら古典プリント十枚の刑に処す」
「それは嫌……」
「じゃ、おとなしくマッサージを受けて」
「はい……。お手数おかけして申し訳ございません」
「ストレッチは?」
「少しずつ始めています。やっと身体を起こせるようになったので」
 湊先生にも少しずつ始めるようにと言われている。
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