光のもとでⅠ
 河野くんやツカサ、周りの友達が心配してくれているのはわかっていたけれど、私は目の前で文句を言われることがとても新鮮で、何を不快に思われているのかきちんと言葉にしてもらえることが嬉しくて、話してくれるのなら話せばわかってもらえるんじゃないか――。
 そんな気持ちがあって、それらすべてに応じていた。
 結果、話してわかってくれる人はいたし、自分の言いたいことを言うだけではなく、私の話をきちんと聞いてくれる人がいた。そこから普通に話せるようになった人もいる。
 それは、こういう教育を受けてきているからなのね。
 発言の場は人の発言を聞く場でもある。そういうことをきっちりと学んできてるからなんだ。
 前に風間先輩が言っていた。
 ――「親子揃って藤宮生っていうのは結構多いんだよね」
 それはきっと両親の意向。
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