光のもとでⅠ
 家を出る直前に朝の薬を飲めばホームルームくらいは出席できるだろう。
 ホームルームにさえ出席していれば、遅刻の扱いにはならない。
 そのあとは一時間ずつ休憩を挟んで授業を受ける。
 無事に乗り切りたい――。
 ふと気になってベッドサイドの鍵に目をやる。
 ……気になる。
 そのままにしてはおけず、それらを制服のポケットにしまった。
 蒼兄のものではないし、たぶん、昨日私の部屋へ来た誰かのものだと思う。
 でも、桃華さんたちが帰ったときにはなかったと思うから、司先輩か唯兄。
 一応蒼兄にも確認したほうがいいだろうか……。
 そんなことを考えながら部屋を出た。

 リビングへ行くと、蒼兄は朝食を済ませてソファで新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。
 キッチンにいる栞さんに朝の挨拶をすると、
「おはよう! 制服、久しぶりね」
 と、柔らかな笑顔が返される。
「はい。一週間ぶりなんですけど、なんだか緊張してしまいました。……気分的には新学期みたいな感じ」
 昨日、桃華さんたちと会ったことで学校へ行く不安はない。
 でも、何かそわそわしてしまうのだ。
 栞さんに渡されたプレートを持って蒼兄がいるテーブルへと向かう。
 プレートをテーブルに置きラグに座ると、「おはよう」と穏やかな声が降ってきた。
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