光のもとでⅠ
 こういうとき、なんて答えたらいいのかな。
 私は人の機嫌を取れるほど器用ではないし、大役を任されることにも慣れていない。
「……すみません。たぶん、何もできないと思います。できるのはお話を聞くことくらい――」
「それで十分。果歩さん、ここに来てからというもの、楓先生かお母様、それか産科の先生としかお話をする機会がないから。世間話ができれば少しは気持ちも落ち着くでしょう」
 そう言ってカウンターから見送られた。
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