光のもとでⅠ

18

 午後の授業が終わってから病院へ来て治療を受けた。そのあと、果歩さんの病室で話をしていて今は点滴。
 点滴があと少しで終わる、というときには九時近かった。
 迎えに来てくれたのは唯兄とお母さん。
「具合はどう?」
 心配そうに尋ねるお母さんに、
「少し冷えちゃったみたい」
 本当は冷えではないとわかっているかもしれない。でも、今はその話をしたくなくて話を逸らした。そういうのを敏感に感じ取って気持ちを汲んでくれるのは唯兄。
「今日はマフラー忘れてったしね」
 唯兄は持ってきた紙袋を私の手元に置く。
「着替え」
 言われて、今身につけているものが病院の術着であることに気づく。汚れていた手や髪の毛、顔は拭いてもらえたのだろう。不快を感じるほどにはベトベトしていなかった。
 ただ、髪の毛だけは左側でひとつにまとめられていた。
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