光のもとでⅠ

24

 いつもなら、洋服を買いにデパートへ来ると、お母さんと私、蒼兄とお父さんに分かれる。今回もそうだと思っていた。でも違った。
 唯兄が、「俺もリィのドレス選びたいー」と言いだしたから。
 蒼兄もお父さんも迷わず賛同した。
 それなりの広さがあるショップでも、一家五人で押しかければそのブースだけが人口密度高めとなる。さらには、お父さんと蒼兄によって平均身長もぐっと引き上げられた。
「荒沢さん、大所帯でごめんなさいね」
 お母さんがショップの店長に一言詫びる。
「いえ、ご自慢の旦那様とご子息にお会いできて光栄です」
 荒沢さんは、お父さんたちに向き直り、
「Ciel d'azur(シエルダジュール)レディス店の荒沢(あらさわ)と申します。いつも奥様とお嬢様にはご贔屓にしていただいております」
「いやいやこちらこそ。自分もメンズ店御用達なので瀬野(せの)さんにはお世話になってる口です」
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