光のもとでⅠ

28

 ウサギは触れるかもしれないから最後に回し、用務員室から一番離れた小屋の裏にある池に行くことにした。
 緑色をした池の中を赤や白、金色の魚が泳いでいた。色とりどりの中、時折灰色の魚も姿を見せる。
 私が水辺に立つと、エサをもらえると思ったのかチャプチャプと音を立てるほどに寄ってきた。
 びっくりして後ずさり、池の縁から一メートル離れたところから池の中にある小島のような岩を見る。と、岩の上でカメが首を伸ばし、太陽の光を浴びていた。
 置物のようにピクリとも動かない。瞬きもしない。
 まるで天に何かを求めているようにも、何か待っているようにも見える。
 カメが光合成するとは思わないけれど、甲羅が緑で皮膚がモスグリーンに見えるからか、日向ぼっこよりも光合成してるように見えた。
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