光のもとでⅠ
「でも……お昼寝の邪魔をされたのに何ももらえなかったらがっかりしちゃうかも……?」
 考え直し、隣の小屋に視線を移す。
 ニワトリ小屋はとても賑やかだった。全部で六羽いて、随時誰かがコッコッコッコッ、と鳴いていた。歩くときだけくちばしを突き出すのかと思えば、止まったままでもこまめに首から上をカクカクと動かす。ロボットみたいな動作であったり滑らかな動きであったりと様々。とても器用に脊椎を使っていた。
 自分にもできないかと試してみたけれど、ニワトリのようにはできなかったし、何回か試したところで首の筋を違えそうになる始末。
 私の動作がよほど怪しく見えたのか、最後は六羽みんなにまくし立てられその場を去る羽目になった。
「……私、動物に好かれてないのかも」
 歓迎されてないことを悟り、今まで動物に触れる機会がどれくらいあったか……と思い出してみる。
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