光のもとでⅠ
 ……ん?
「御園生御園生、それ以上首傾げると筋おかしくしそうだから、頭もとの位置に戻して戻して」
「え? あ……」
 気がつけば、頭が肩につきそうなくらい首を傾げていた。
 首をさすりながらもとに戻すと、
「言ってなかったっけ?」
 と、飛鳥ちゃんに訊かれる。
「私と嵐ちゃん、従姉妹なんだよ」
 嬉しそうに教えてくれた飛鳥ちゃんと荒川先輩を見比べると、どこか雰囲気が似ていた。
 顔のつくりは少し違うのだけれど、雰囲気というかノリが同じ。それからきれいなアーモンド形の目は同じように見えた。
「さ、ここからは私が案内するわ。ふたりともありがとうね。ほら、翠葉行くよ!」
 今度は荒川先輩に手を引かれて歩きだす。
 慌てて佐野くんと飛鳥ちゃんにお礼を言うと、荒川先輩の誘導で生徒会メンバーが集るところまで連れていかれた。
 そこは桜林館のほぼ中央。
「お、翠葉無事到着!」
 すぐに気づいた海斗くんに声をかけられた。
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