光のもとでⅠ
 唯兄はすぐにチーム分けができたみたいだけれど、私は少し考える時間が必要だった。
 私たちの両親は親チーム。きっと真白さんや涼先生、海斗くんのご両親も親チーム。あとは……栞さんと静さんのご両親も親チームだとしたら――。
「つまりさ、定例の会食に集まるメンバーが子どもチーム」
 唯兄の的確な説明に、「なるほど」と思ったのは私だけではなかった。
「なるほど。そういう説明の仕方があったか……」
「ちょっと、あんちゃんしっかりしてよっ……ていうか酒飲んだ?」
「あぁ……お祝いの席では断れなくて。……におう?」
 蒼兄は自分の腕を引き寄せてくんくんする。
「いや、俺は気になんないけど……」
 ふたりの視線が私に向いた。
「え? あ……えと、アルコールの香りはするけど――」
「大丈夫」と言う前に、蒼兄は百八十度方向転換しバスルームへと歩きだす。
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