光のもとでⅠ
 負荷のかけすぎはよくないし、軽すぎても意味がない。翌日に疲れを持ち越さない程度の負荷から始め、徐々に負荷を増やしていく。
「薬を増やすときと同じだよ。徐々に負荷をかけて心臓を鍛えてあげるんだ」
 紫先生は改めて私に向き直り、目線を合わせるために少しかがんだ。
「心臓にかける負荷はこちらできちんとコントロールしているけれど、翠葉ちゃんは無理してはいけないよ? 疲れたなら疲れたと言う勇気を持っていてほしい。焦ったらすべてが台無しになってしまうからね」
 念を押すように言われたのにはわけがある。
 早く退院したくて、早く元気になりたくて――そうして無理した過去がある。
 焦ったらだめ、焦ったらだめ……。
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