光のもとでⅠ
「司が好きならそれでいい。司を好きな君を愛する。いつか君が司に愛想を尽かすのを手をこまねいて待っていることにする。……あぁ、待ってるだけっていうのは性に合わないな。司に遠慮せず、今までどおりアプローチはするだろうね」
 顔が見えるほどに離れると、秋斗さんはいたずらっ子のような笑みを浮かべていた。
「俺は君から離れるつもりも諦めるつもりも毛頭ないんだ」
 唖然としていると、
「意外? 残念? 困る?」
 首を横に振るのが精一杯だった。
「本当? じゃぁ、キスしてもいい?」
「それはだめっ」
 言って、私は飛びのいた。
 その拍子に心臓がトク、と止まった。
 不整脈――そう思ったときには意識を失っていた。
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