光のもとでⅠ
「ごめんね。蒼兄をエサにして、釣るような真似して――ごめんね……」
「事実、御園生さんには釣られる。でも、御園生に助けてって言われたことのほうが貴重。やっとだよ……もう冬、あと数日で十二月。その言葉を聞くまで八ヶ月以上もかかった」
 どうにかして御園生の緊張をほぐしたいと思った。でも、それは叶わなかったな……。
 八ヶ月かかってようやくSOS出してもらえるようになったけど、俺が安心材料になることはないのかもしれない。それでも、俺を必要としているってどれだけ切羽詰まった状態なのか――。
 俺は御園生の背を見ながらゴクリと唾を飲みこんだ。
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