光のもとでⅠ
「五人の内訳は必要?」
「いや……。この時間に呼び出すんだ。保護者は必要だろ。それに、翠がひとりで来るとは思いがたい」
 絶対に心の拠りどころを携えてくるに違いない。だから、御園生さんと唯さんを入れた五人が正解。

 準備が整い翠に連絡を入れるも、携帯がつながらない。
 コール音は鳴るのに一向に出る気配がない。
 ものすごく嫌な予感がする。
「秋兄……翠、携帯所持してないかも」
「くっ……本当、どこまでも俺たちの攻撃を上手にかわしてくれるよね?」
 笑いながら、自分の携帯を取り出した。
「でも、そこで引き下がる俺たちでもないでしょう? 俺は唯に探りを入れるとするよ」
「じゃ、俺は御園生さん」
 何もふたりして確認する必要はない。ただ、俺たちがそうまでして翠と連絡を取ろうとしていた事実――証拠、履歴を残すため。
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