光のもとでⅠ

59~61 Side Akito 02話

 翌日彼女の病室を訪れると、ノックのあと、数拍遅れて返事が聞こえてきた。
 そっとドアを開け、
「今、大丈夫かな?」
 訊くと、「大丈夫です」と彼女は身体を起こした。
「学校のパソコン持ってきたから使い方を少しレクチャーさせてね」
「お願いします」
 レクチャーも何も、大したことはない。使うソフトと手順を教えるのみ。十分とかからずに終わる内容。
 いくら彼女が機械を苦手としてもこのくらいは難なくできるだろう。
「ここまでで何かわからないことは?」
「ありません」
「じゃぁ、次。受けられなかった授業の最後にやるテスト。これも難しいことはない。ペンタブに書いたものに名前をつけて保存して、先生宛てに添付メールを送るだけ。ファイル名は日にちと教科名でOK」
 これにてお仕事終了。
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