光のもとでⅠ
 でも、一歩踏み出してくれた気がした。
 御園生の一歩は、俺たちにとってはものすごく貴重なもので、ふとした拍子に引っ込められちゃいそうな気がするから、心して慎重に扱わなくてはいけない。
「いいよ」
『でも……ちゃんと、わかるように話せる自信はなくて、時間、かかっちゃうかもしれない』
 たぶん、泣いてる……。そんな気がした。
 御園生はどうしてこうなるまでひとりで抱えちゃうんだろう。
 そりゃ、人を頼らず自分でどうにかしなくちゃいけないときもあるし、そういう心意気は立派なんだけど、御園生のこれはいつも行き過ぎだ。
 そう感じているのは俺だけじゃないはず……。
「大丈夫。時間のことは気にしなくていいから。今、宿題終わったところだし」
 努めてのんびり話した。それ以外に「安心」を伝える方法がわからなかったから。
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