光のもとでⅠ
 でも、年じゃなくて人間として、どんな大人になるのかは興味がある。
 ずっと見ていたら愛着が湧くかもしれない。
 あぁ……愛着っていうとモノみてぇだな。……愛おしく、か?
 ずいぶんと俺らしくない表現だと思えば笑みも漏れる。
「先生、からかっているでしょう?」
「いや……さすがにからかって求婚はしねえだろ。マジな話だ。俺、あんがいスイハのこと好きだしな。俺と結婚すりゃ毎日タダで治療受けられるぜ? 年収も悪くないし、意外といい物件じゃね?」
 からかっているだろうと疑いながらも正面から見てくるこの目が、真っ直ぐさが好きだ。
 案外気に入っている場所はあちこちにあるのかもしれない。が、
「だめ――冗談でも本気でも、だめ」
 即行で断られた。
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