光のもとでⅠ

恒例行事 Side 笹野健太郎 01話

 俺はなんでこんな手伝いをしなくちゃいけないんだ。なんでナンデ……。
 いや、もとはといえば俺らが勝手に手伝い始めたことなんだけど。
「くっそーっっっ! 司、おまえ、ホントに男の敵っ! ていうか、俺の敵っ」
「ケン、うるさい。……でも、助かる」
 こんにゃろ……うるさい、とうざったそうに言った口で「助かる」なんて言うなよなっ!?
 俺は女じゃないしその手の趣味もないけど、こいつのこういう言葉には弱い。それがこの場凌ぎでもなっ。
「でも、毎年毎年女子もがんばるよなー?」
「学習能力低いだけじゃない?」
 相変わらず辛辣極まりない男である。
 よりによって、ここらで一番偏差値の高い藤宮の生徒に向かって、「学習能力低いだけじゃない?」とは何事だ。うちの学校、一応……というか、かなり名の知れた超進学校ですよ、オニイサンっ。
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