光のもとでⅠ
「ま、今日はバレンタインだしね。いいわ、許してあげる」
 そのあと十分ほど診察を受け、術後の経過も問題なしと言われていつもどおりのお薬を処方された。
「その手提げ袋……まだたくさん入っていそうね?」
「あ、はい。このあとは真白さんのところへうかがって、真白さんと涼さんの分を渡してきます。それから病院へ行って、相馬先生と藤原さんと小枝子さんと久住先生と楓先生に渡して、唯兄にホテルまで連れて行ってもらって、静さんと澤村さんと園田さんと須藤さんに渡して、帰って来たら栞さんと昇さんにプレゼントして、最後に家族に――」
 指折り数えていると、湊先生が呆れた顔で私を見ていた。
「あんた、バレンタインと何かを間違えて認識してたりしないわよね?」
「クラスメイトに教えてもらったので大丈夫だと思います」
「でも、まるでクリスマスのサンタ並みだけど?」
「……それはそれで楽しいかも?」
「あぁそう……。で、司には渡したの?」
「はい、お昼休みに」
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