私の刑事さん
「美奈…好きなんだよ…」

海斗さんに抱きしめられながら真優に借りたDVDを見ていた。

「直人君かっこいいですね~!」

「全然」

海斗さんは何故かさっきからしかめっ面をしている。

「何で怒ってるですか?」

「何で気づかないんですか―?」

海斗さんは私の肩に顔を埋めた。

「何で相手の名前が美奈何だよ…」

「えっ!それに怒ってるんですか?」

「それにって…お前はあいつのことかっこいいとか言うし」

「かっこいいじゃないですか」

それだけじゃ分かりません…

「美奈って呼んでいいの俺だけだし」

「そーなんですか!?」

「そーなんです」

知らなかった…

「でも、お母さんもお父さんも真優も美奈って呼びますよ!」

「じゃあ俺達4人だけ」

そーなんだ。

「じゃあ海斗さんって呼ぶ人は私と誰ですか?」

「ん、お前だけ~!」

「そーなんですか!?なんか嬉しいです」

海斗さんは私の頬にキスした。

「でも、そんな決まりがあるんですね!私知りませんでした」

「…お前…バカなの?天然なの?」

「えっ?天然?」

天然?
私、生まれつき持ってるものないけどなぁ。

「可愛い。マジバカすんなよ」

マジバカ!?

「私バカじゃないです!!」

「わりわりっ!!」

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