私の刑事さん

another story 海斗



「美奈!美奈!」

俺は血だらけになっている美奈を抱きしめた。

「…海…斗…さん……」

良かった…

まだ意識はあるんだな。

「待ってろ!今助けるから!!」

「…痛い…よ…」

精一杯、口を開いているのが分かる…

「大丈夫だ!!助けるから!!」

絶対、助けるから!!
お前だけは守るって決めたんだ!!
大丈夫だ!!大丈夫だから!!

俺は美奈の胸を必死に押さえた。

どんどん溢れてくる血…

どんどん美奈の脈がゆっくりになっていく。

「先輩!!来ました!!」

「美奈!もう大丈夫だから!」

「───」

美奈の意識がない!!

「美奈!!美奈!!」

起きろ美奈!!起きてくれよ!!

「どいてください!!」

「先輩!!しっかりしてください!!」

「うるせぇよ!!美奈!!起きろよ!!美奈!!」

「大丈夫です!!まだ脈はありますから!!」

ほとんどないじゃないか…





< 65 / 116 >

この作品をシェア

pagetop