もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
今、まさに、毎朝その勝負に挑む男が、凄い勢いで近付いてくる。


「おーい! 早川優衣、ちょっと待ってろ」


優衣に向かって叫んでいる。


(全く……、礼儀を知らないヤツだね〜)


見なかったことにして、急いで門を閉める優衣。


ギギー、ギギギー……。


最早、人が通れる余地はない。


究極の状態の中、必死な大谷は自分の腕を入れて防御した。


「はぁ、はぁっ……、お前、クラスメートを見捨てる気かよ!」


息を切らしながら、優衣を睨みつけている。


「もう時間だから! 大谷は遅刻だよ」


キッパリと言いきり、最後まで閉めようとする。


「早川優衣っ、頼むよ〜。俺、まじでヤバいんだって」


急に、下手に出る大谷。


ふと、優衣の脳裏に、今朝見た夢が蘇った。


(やっぱり似てる……。けど、何かが違う。うん、全然違う。あの軍人は、こんな情けないこと言わないよ)
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