もう一度、君にめぐり逢いたい〜ちっさいおじさんが起こした奇跡⁎⁺˳✧༚
夏本番!


灼熱の太陽が、人気のない校庭をジリジリと照り付けている。


「暑ーっ!」


熱を持った砂漠のような花壇に到着すると、1年生の環境委員2人が汗を流しながら長いホースを運んでいた。


「お疲れーっ」


「あっ、早川先輩!」


一斉に、水を撒き始める。


辺りの気温は一気に下がり、カラッカラに乾いたひまわり達もご機嫌そうに潤いだす。


「キャーーッ!」
「冷たぁーいっ」


勢いよく噴射する水が最高に嬉しくて、水撒きがエカレートしていく……。


「こらぁーっ! 公共の水を無駄に使うなーっ!!」


誰も居ないはずの校舎から、誰かが怒鳴る声……。


その声のする方を見上げてみる。


「……大谷!?」


眩しい陽射しが反射している2階の教室。


その窓から身を乗りだし、優衣達を見下ろしている。


「なんなのよ! そこで何してんの!?」


「補習だけど……」


「うわっ、だっさーっ」


「うるせー!」


苦笑いを残して、大谷は姿を消した。
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